2009年10月20日

重松清『流星ワゴン』講談社文庫

流星ワゴン あなたがもし、現在にも未来にも希望を見いだせなくなったとき、過去に戻れるとしたら…。その世界であなたは自由に振る舞えると思いますか?そんなに甘くはありません。同じ人生をなぞるだけです。苦い苦い結果を知っているにも関わらず。しかし、何度もその苦みを味わううちに、少し自由に動けるようになれます。辿ったはずの道とは違う方向に歩くこともできます。それでも、現在の世界に戻ったとき、何も変わっていません。それでも身を引き裂かれるような思いを繰り返すと今度は…。いや、現実は変わりません。ただ、変わるものが一つだけあります。それはあなた自身です。後悔に後悔を重ねた人間ができる最良の行動は変わることです。過去を悔やんでも仕方ない。流星のようなワゴンに乗って進もう。 Amazon


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司馬遼太郎『新選組血風録』角川文庫

新選組血風録 幕末の京都で活躍した新選組。その武力で反幕府勢力を鎮圧したが、明治維新後は、逆に逐われる形となってしまう。しかし、本作はその奮闘ぶりを描いたものではない。隊士一人一人の人物像を浮き彫りにしている。あくまでも小説なので、虚構が混じる部分もあるが、現代においても古くささは感じない。中でも、局長近藤勇の刀にかける想いを描いた『虎徹』がよかった。近藤は、まだその名が挙がらないころ、名刀虎徹の紛い物を掴まされた。これが偶然よく斬れる刀で、近藤はいたく気に入ってしまう。その後、本当の虎徹を手に入れるも、これもたまたま鎖帷子を着た敵を斬ってしまったがために、まったく手応えがない。初めの方を本物だと信じて疑わない近藤。しかし、彼にとって、「虎徹」は信仰である。斬れればそれが本物なのだ。これは何も刀に限らないことだと思った。真実とは、事実とは違っていても、信じるものにとってはそれが唯一なのだ。 Amazon
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2009年10月01日

増田れい子『看護 ベッドサイドの光景』岩波新書

看護 ベッドサイドの光景 看護師へのインタビューを重ね、その実態とあるべき姿を浮き彫りにした書。私も記憶にあるだけでも、右肩の肩鎖関節亜脱臼の手術、鼻中隔湾曲の手術と、2回入院しているが、そのどちらも当然のように看護師にお世話になった。検温、点滴、剃毛などなど。しかし、私たちが目にしているのは看護の一面でしかない。見えないところでの申し送りや準備など、仕事の範囲は多岐にわたる。それだけではない。言葉や身振りやまなざし、笑顔といった、形には見えにくいところにこそ看護の本質がある。人と人との繋がり、生きる喜びを与える尊い仕事である。現在、担任を持っている中にも看護師志望の生徒がいる。本書のおかげで少しは実のある進路指導ができるだろうし、是非とも一読を勧めたくなった。 Amazon
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